「しています」の意味と使い方を徹底解説|例文・文法・「しております」との違い
「しています」は、日常会話からビジネスメールまで幅広く使われる日本語表現です。「今、資料を作成しています」のように進行中の動作を表すだけでなく、「結婚しています」のように行動後の状態や、「毎朝ジョギングしています」のように習慣的な行為を表すこともあります。同じ「しています」でも、動詞の意味や前後の文脈によって伝わる内容が変わります。
さらに、仕事で使う場合には「しています」と「しております」の違いも押さえておきたいポイントです。文化庁の「敬語の指針」が示す敬語の分類を踏まえ、文法の仕組みから具体的な例文、ビジネスでの自然な使い分けまで整理します。
📌 【この記事の重要ポイントまとめ】
- 要点1:「しています」は「する+ている」の丁寧な形で、現在進行中の動作・結果の状態・習慣的な行為などを表します。
- 要点2:「しています」は幅広い相手に使える丁寧語、「しております」は主に自分側の行動を改まって伝える丁重な表現です。
- 要点3:「今」「毎朝」「結婚している」などの時間表現や動詞の性質に注目すると、意味を判断しやすくなります。
【していますの意味】現在の動作だけではない3つの用法
「しています」は、動詞「する」のテ形である「して」に、補助動詞「いる」の丁寧形「います」が続いた表現です。基本的には、ある動作や変化を起点として、現在につながる状況を伝えます。
ただし、英語の現在進行形のように「今まさに何かをしている」とだけ理解すると、意味を取り違えることがあります。日本語の「〜ている」には、動作が続いている場合と、動作によって生じた状態が続いている場合などがあるためです。
1.現在進行中の動作
話している時点で、動作が実際に進んでいることを表します。「今」「ただいま」「現在」などがあると、現在進行中の意味が明確になります。
- 今、電話しています。
- 会議で新しい企画について説明しています。
- ただいま、担当者が内容を確認しています。
- 母はキッチンで夕食を作っています。
例えば「今、電話しています」は、電話をかけたり話したりする動作が現在進行中であることを伝えます。作業の途中経過を報告する場面でも使いやすい表現です。
2.行動後の結果の状態
ある動作や変化が起こり、その結果として生じた状態が現在まで続いていることを表します。動作そのものが続いているわけではない点が特徴です。
- 私は結婚しています。
- 電気がついています。
- 窓が開いています。
- 彼は東京に住んでいます。
「結婚しています」は、結婚する動作を現在進行形で表すのではなく、結婚した後の状態が続いていることを示します。「電気がついています」も、電気がつく瞬間ではなく、点灯している状態を表しています。
「住んでいます」や「知っています」のように、日本語では状態を表す意味合いが強い動詞にも「〜ている」が使われます。英語などの別の言語と一対一で対応させず、日本語の動詞がどのような状態や変化を表すのかを考えることが大切です。
3.習慣的な行為・継続的な活動
一定の期間にわたって繰り返す行為や、仕事・職業など、普段の活動を表す用法です。必ずしも発話の瞬間にその行為をしているとは限りません。
- 毎朝、ジョギングしています。
- 父は銀行で働いています。
- 私は週に3回、英会話を勉強しています。
- この会社は自動車を製造しています。
「毎朝」「週に3回」「普段は」などの表現があると、習慣や反復の意味を判断しやすくなります。また、「父は銀行で働いています」は、父が今この瞬間に銀行で仕事をしているという意味ではなく、職業や継続的な活動を説明する文として自然に使えます。
日本語教師たのすけのお助けブログが2024年1月9日に公開し、同年3月26日に更新した「〜ています」の解説でも、現在進行形・結果の状態・習慣を主要な分類として整理しています。学習者が混同しやすいのは、形が同じでも時間の捉え方が異なるためです。
【する+ているの文法】「しています」はどう作られる?
「しています」の構造を理解するには、「する」の活用と「〜ている」の働きを分けて考えると分かりやすくなります。
文法上は、次のように組み立てられています。
- 基本形:する
- テ形:して
- 「ている」の形:している
- 丁寧な形:しています
「しています」は「している」に丁寧語の「ます」を用いた形です。普通体の「している」と比べて、聞き手に対する丁寧さが加わります。
例えば、「資料を作成している」は普通体、「資料を作成しています」は丁寧体です。どちらも基本的な内容は同じですが、後者は職場での会話や接客など、丁寧なやり取りに適しています。
「〜ている」は現在進行形と同じ意味なのか
必ずしも同じではありません。英語の現在進行形に近い意味になることはありますが、「〜ている」の意味は動詞の種類や文脈によって変わります。
日本語学習者向けの文法解説を掲載するTofuguの「Japanese Verb Continuous Form ている」でも、進行中の動作と結果の状態が区別されています。例えば、「食べている」は食べる動作の継続を表す一方、「ついている」は電気などが点灯している状態を表します。
「する」を使った表現でも同じ考え方が役立ちます。「仕事をしています」は、今仕事をしている場合にも、普段の仕事や職業について述べる場合にも使えます。どちらの意味なのかは、話題や前後の説明から判断します。
意味を判断するための3つの手掛かり
- 時間を示す言葉:「今」「ただいま」があれば進行中、「毎日」「普段」「週に3回」があれば習慣の可能性が高まります。
- 動詞の性質:「食べる」「話す」のような動作を表す動詞と、「結婚する」「電気がつく」のような変化を表す動詞では、解釈が異なります。
- 前後の文脈:「今、何をしていますか」と「普段、何をしていますか」では、同じ「しています」でも尋ねている内容が異なります。
なお、進行・結果の状態・習慣は理解のための基本的な分類です。「〜ている」には、反復や経験などを表す用法もあります。すべての例文を機械的に3分類するのではなく、文全体の意味から判断する必要があります。
【していますの例文】文脈から意味を見分ける方法
ここでは、日常生活で使う例文を取り上げ、どのように意味を読み分けるのかを具体的に確認します。
現在進行中の動作を表す例文
例文1:「今、メールを返信しています。」
「今」があるため、メールを返信する作業を進めていることが伝わります。職場で作業の進捗を報告するときにも使える表現です。
例文2:「妹は友達と話しています。」
妹が現在、友達と会話している状況を表します。会話している場所や時間などの情報が加われば、さらに具体的な状況を伝えられます。
結果の状態を表す例文
例文3:「私は結婚しています。」
結婚する行為が今も進行しているという意味ではなく、結婚後の状態にあることを伝えます。婚姻状況を説明する場面で使われる表現です。
例文4:「部屋の電気がついています。」
電気がつく変化が起こった後、点灯した状態が続いていることを示します。電気がつく瞬間を描写するなら「電気がつきました」と表現できます。
習慣や継続的な活動を表す例文
例文5:「私は毎晩、本を読んでいます。」
「毎晩」が繰り返しを示しているため、読書の習慣を表します。発話している瞬間に読書中である必要はありません。
例文6:「私はIT企業で働いています。」
現在の職業や継続的な活動を説明する文です。勤務時間外に話していても、同じ表現を使えます。
同じ「しています」でも意味が変わる例
「掃除をしています」という文だけでは、掃除の最中なのか、普段から掃除をしているのかは必ずしも決まりません。
- 「今、部屋の掃除をしています」:現在進行中の動作。
- 「毎週末、部屋の掃除をしています」:習慣的な行為。
- 「家事代行の仕事で、部屋の掃除をしています」:仕事として継続的に行う活動。
このように、時間を示す言葉や話題を補うだけで、伝えたい内容が明確になります。日本語学習者が参加するJapanese Language Stack Exchangeでも、「しています」は「する」と「〜ている」の両方を理解する必要がある表現として議論されています。単語だけに一つの英訳を当てはめるのではなく、文脈に応じて意味を考えることがポイントです。
【していますとしておりますの違い】敬語の比較表
「しています」と「しております」は、どちらも丁寧な会話や文章で使われます。ただし、敬語としての性質と、適した相手や場面には違いがあります。
文化庁の「敬語の指針」では、自分側の行為などを相手に対して改まって述べる「謙譲語II(丁重語)」と、「です・ます」によって丁寧さを示す丁寧語が区別されています。この分類を踏まえると、両者の違いが整理しやすくなります。
| 比較項目 | しています | しております |
|---|---|---|
| 基本的な性質 | 「している」の丁寧な形 | 「しておる」を丁寧に述べる形 |
| 敬語のニュアンス | 丁寧語を中心とした表現 | 「おる」による丁重さを含む表現 |
| 主な使用場面 | 日常会話、社内連絡、一般的な説明 | 取引先への連絡、顧客対応、改まった報告 |
| 自分の行動 | 「資料を作成しています」 | 「資料を作成しております」 |
| 自社の活動 | 「当社では販売しています」 | 「弊社では販売しております」 |
| 相手の行動 | 文脈に応じて使える | 相手を立てる表現として、そのまま使うのは不適切な場合がある |
「しております」は「しています」より常に正しいのか
そうではありません。どちらも正しい日本語ですが、場面に応じて適切な表現が変わります。
同僚への進捗報告なら「資料を作成しています」で自然に伝わります。一方、顧客に対して同じ内容を改まって伝えるなら、「資料を作成しております」が適している場合があります。
ただし、丁寧さを高めることだけが目的になり、会話の中で「しております」を繰り返すと、文章が硬くなったり、回りくどく聞こえたりすることがあります。相手との関係や伝達内容に合わせて選ぶことが大切です。
相手の行動には「しております」を使わないのが基本
「おります」は、基本的に自分側の行為や状態を改まって伝える表現です。そのため、顧客の行動を直接述べる場合には、相手を立てる尊敬語を使うのが自然です。
- 自社側の行動:「弊社ではオンライン相談を実施しております」
- 顧客の行動:「お客様がオンライン相談をご利用になっています」
- 顧客の行動をより丁寧に述べる例:「多くのお客様にご利用いただいております」
最後の例は、顧客の利用を自社が受ける恩恵として表現したものです。誰の行動について述べているのかを明確にすれば、敬語の選択を誤りにくくなります。
【していますのビジネスでの使い方】自然な敬語と例文
ビジネスでは、「しています」を避けて常に「しております」にすればよいわけではありません。相手、場面、文章の目的に応じて表現を使い分けると、読みやすく自然な文章になります。
社内の会話・チャットで使う場合
社内の同僚や普段からやり取りしている上司への報告では、「しています」が自然な場面も多くあります。
- 「現在、見積書を作成しています」
- 「先ほどの件について、関係部署に確認しています」
- 「来週の会議に向けて準備を進めています」
社内であっても、役職や状況、社内の慣習によって求められる丁寧さは変わります。重要なのは、「しています」が失礼な言葉なのではなく、必要な丁寧さを場面に合わせることです。
取引先・顧客へのメールで使う場合
社外への連絡や正式な進捗報告では、「しております」を使うと、改まった印象になります。
- 「現在、担当部署にて内容を確認しております」
- 「ご依頼いただいた資料を作成しております」
- 「お問い合わせの件につきましては、順次対応しております」
- 「弊社では、土曜日も営業しております」
いずれも、自分側や自社側の行動・業務状況を伝える例です。進行中であることを明確にしたい場合は、「現在」「順次」などの言葉を添えると、相手に状況が伝わりやすくなります。
「しております」を繰り返さないための言い換え
一つのメールに「確認しております」「対応しております」「準備しております」が何度も続くと、文章が単調になることがあります。意味に合わせて、次のように言い換えると自然です。
- 確認しております → 「確認いたします」「確認が完了しました」
- 対応しております → 「対応を進めております」「対応いたします」
- 準備しております → 「準備を進めております」「準備が整いました」
- 担当しております → 「担当しております」「担当いたします」
ここで注意したいのは、言い換えによって時間や意味が変わることです。「確認しております」は確認中の状況を示せますが、「確認いたします」はこれから確認する意思や予定を示します。「確認が完了しました」は作業が終わったことを伝えます。単に語尾を変えるのではなく、実際の進捗に合った表現を選びましょう。
【プロの結論】していますを自然な日本語にする判断基準
「しています」を正しく使うために、すべての例文を暗記する必要はありません。動作の進行、行動後の状態、習慣という基本的な考え方を理解し、文脈と組み合わせて判断することが効果的です。
誤解しやすいポイントを整理
- 誤解1:「しています」は必ず現在進行形。
「結婚しています」は結果の状態、「毎朝走っています」は習慣を表します。 - 誤解2:「しております」は常に丁寧なので、どんな相手にも使える。
自分側の行為を改まって述べるのに適していますが、相手の行為には尊敬語などを選ぶ必要があります。 - 誤解3:「しています」は目上の人に使うと失礼。
「しています」は丁寧な表現です。場面によって「しております」のほうが適切なことはありますが、「しています」自体が失礼なわけではありません。 - 誤解4:「〜ています」は英語の現在進行形と完全に一致する。
日本語では動詞の性質によって結果の状態や習慣も表します。英語の時制や進行形だけを基準にしないことが重要です。
迷ったときに使える3つの判断基準
第一に、何を伝えたいのかを確認します。今している作業なのか、現在続いている状態なのか、普段の習慣なのかを考えます。必要に応じて「今」「毎日」「以前から」などの情報を加えます。
第二に、誰の行動なのかを確認します。自分や自社の行動を取引先に伝えるなら「しております」が自然な場面があります。一方、顧客や目上の人の行動を述べるときは、尊敬語を使うなど、相手を立てる表現を検討します。
第三に、文章全体の丁寧さを整えます。一文だけを過度に丁寧にするよりも、メール全体のトーンをそろえたほうが自然です。社内チャットなら簡潔に、正式な報告なら改まった表現にするなど、読み手に合わせて調整しましょう。
文法を学ぶ際には、Tofuguの「〜ている」の解説や、日本語教師たのすけのお助けブログによる用法の整理が参考になります。ビジネス敬語については、文化庁の「敬語の指針」を基準にすると、丁寧語と丁重語の違いを体系的に理解しやすくなります。
【しています】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:「しています」の意味を簡単に説明すると?
A1:「する+ている」を丁寧にした表現です。現在進行中の動作、行動後の状態、習慣的な行為などを表します。どの意味になるかは、動詞の性質や前後の文脈によって変わります。
Q2:「しています」と「しております」はどちらが正しいですか?
A2:どちらも正しい日本語です。「しています」は幅広い場面で使える丁寧な表現で、「しております」は自分側の行動を改まって伝える際に適しています。相手との関係や文章の目的に合わせて選びます。
Q3:「しています」は現在進行形ですか?
A3:現在進行形になる場合もありますが、それだけではありません。「今、電話しています」は進行中の動作、「結婚しています」は結果の状態、「毎朝ジョギングしています」は習慣を表します。
Q4:「しております」は目上の人の行動にも使えますか?
A4:目上の人や顧客の行動を直接述べる場合は、原則として「おります」ではなく、尊敬語を使います。例えば「お客様がご利用になっています」のように表現すると自然です。ただし、自社の人間の行動を社外の相手に説明する場合は、「担当者が対応しております」のように使えます。
Q5:「しています」をビジネスメールで使っても問題ありませんか?
A5:問題ありません。社内連絡や一般的な進捗報告では自然に使えます。取引先への正式な連絡では「しております」が適する場合もありますが、文面全体の丁寧さや相手との関係を踏まえて選びましょう。
まとめ:していますの意味を理解して自然に使い分ける
「しています」は、単に今している動作を伝えるだけの表現ではありません。「する+ている」の文法に基づき、現在進行中の動作、行動後の結果の状態、習慣的な行為など、複数の意味を表します。
意味を判断するときは、「今」「毎朝」といった時間表現、動詞が示す変化や状態、前後の文脈を確認することが基本です。特に「結婚しています」「電気がついています」「毎日勉強しています」のような例文を比べると、同じ形でも意味が異なることが分かります。
また、ビジネスでは「しています」と「しております」を、単純な正誤や丁寧さの優劣だけで判断しないことが大切です。自分側の行動を改まって伝えるときは「しております」、日常的な報告では「しています」というように、相手や場面に合わせて選びましょう。
文法の仕組みと敬語の違いを理解しておけば、日常会話でもビジネスメールでも、意味が正確に伝わる自然な日本語を使いやすくなります。 (出典: し てい ます(Yahoo!ニュース))